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山﨑薬局にご相談に来られる不妊に絡むトラブルで最も多いのが「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」です。
きっと不妊で悩むお客様全体で見ても多嚢胞が原因で…という方は多いだろうと思います。
問題① 卵胞の成長が毎周期異なります。
たとえ卵胞が成長する方であっても多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合は排卵までの期間が毎周期ばらばらです。
結果として卵胞チェックを受けていてもDr.のタイミング指示が外れてしまう事が多いのです。
問題② 一定の成長をしていても排卵して来ない事もあります。
卵胞チェックを受けていてもDr.の指示通りに排卵してこない(体温が上がらない)方が多くいらっしゃると思います。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が起きていると卵胞の大きさが21mmを超えていても排卵しない事が散見されます。
結果として卵胞チェックを受けていてもタイミング指示が的中しにくい状況が生じます。
問題③ 場合によっては卵胞の発育が止まりリセットを繰り返す状況が生じます。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に対して現在の病院の治療指針では「まず排卵誘発剤を試す事」となっています。
なので多くの場合、多嚢胞性卵巣症候群が判明するとクロミフェンを始めとする排卵誘発剤を利用します。
排卵誘発剤を服用すると、脳の視床下部にあるE2受容体に卵胞由来の本来のE2を押しのけて排卵誘発剤が結合します。
しかし排卵誘発剤によるE2作用はほとんど無いに等しいため、視床下部は「E2の分泌が減っている」と勘違いした認識をします。
結果、脳下垂体からの卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌が増強され卵胞の発育が促進される、という仕組みです。
この方法は確かに卵胞の発育を強力に促進します。
しかし毎周期卵巣にとっては強い刺激を続けることになるので、いつしか卵巣の受容体にもっと強い刺激を行わないとE2が分泌できないと行った状況が生じてくるのです。
メリット① 生理周期が整います。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の重症度として私が見ているのはFSHとLHのバランスです。
多嚢胞(たくさんの小さい卵子ができる事)自体は、たしかに周期を停止させる要因ですが、最近では遺残卵胞をきれいに除去できる方剤も市販されてきました。
一度卵巣がきれいな状況になれば後はホルモンのバランスを正していければ、つまり正しく体質改善の経過が辿れればFSHとLHのバランスも改善されてきます。
ある程度ホルモンバランスが改善されてくると元々PCOSで周期がバラバラの方でも30日くらいの一定周期で生理が起きるようになってきます。
そうなると夫婦生活のタイミングも読みやすくなってくるので妊娠の確率が上がってまいります。
メリット② 1個の卵胞の発育と排卵が起こせるようになります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の最も嫌なところは小さな卵胞がたくさんできて、卵胞の発育が止まってしまう事です。
一度停止してしまうとピルを使って生理を起こさないともうどうしようもないこともあります。
しかしこれもギャンブル性が高いガラガラポンみたいな感じで、繰り返していると生理を起こした後で再度停止してしまう事も珍しくありません。
中医学漢方による体質改善が出来てくると、この卵胞の発育停止が起きにくくなります。
正しく一個の卵胞が発育し排卵が起きるようになってくるのです。
また多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方の中には周期を通じてずっと水っぽいおりものが出ていたり、あるいはおりものが殆ど出なかったりする方がいらっしゃいますが、このおりものの異常が改善されます。
排卵期になると卵白状のおりものが分泌され排卵が近い事がわかります。
それ以外の時にはほとんどおりものが少なくなりますので煩わしさからも開放される事と思います。
メリット③ 過剰な刺激で停止した卵胞を早期に元の状況に戻すことが出来ます。
卵巣も元々人体内臓の一つですから適切な回復を促してあげられれば早期に回復が見込めます。
排卵誘発剤で反応が悪くなると病院ではもっと強い医薬品で、それこそ締め上げるように卵胞を無理に育てようとします。
ステップアップも兼ねてAIH、IVFと話が展開されていくことと思います。
病院側から「卵巣の反応が悪い、疲れてしまったようだから一度治療をお休みしましょう」と持ち帰られるという話は今のところ聞いたことはありません。
この過剰刺激による卵胞の活動停止は放っておくと早くて3ヶ月から半年ほど生理が来ない状況が続くこととなります。
この状態を中医学漢方なら自然な回復と比べて割りと早い段階で元の状況に戻すことが可能です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は10代後半から好発し、40代を過ぎてくると自然と解消すると言われています。
これは女性ホルモンの分泌とももちろん関係しますが、ストレスの受け方やその発散の方法など普段の生活とも大きく関わっている症状なのではないかと推測します。
ストレスで甘いものやジャンクなものを過剰に食べてたりしていませんか?
西洋医学的にはインシュリン抵抗性が高いということも多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断基準とされています。
習慣的に甘いものが多いということは知らずにインシュリン抵抗性が上がってしまっていても不思議ではありません。
あるいは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の多くの方が生魚(お刺身・お寿司など)を好きな事も特徴かもしれません。
もちろん生魚は嫌いという方でもPCOSになる方はいらっしゃいますが私の元へご相談に来られた9割位のお客様は生魚が大好きという方でした。
中医学では生魚は胃腸を冷やし、腸で膩滞します。
カラダのリズムを滞らせる食材でもあるのです。
生魚が多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と無関係であるとは思えない状況です。
卵巣の状態改善には漢方薬の正しい運用はもちろんですが、こういった普段の生活の問題点を改善することが欠かせません。
もし多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でお困りでしたら、当薬局にご相談下さい。
普段の生活習慣の問題を見つけ、お客様の体質に則した漢方で正しく体質を改善いたします。