山崎薬局の漢方妊活相談

当店の漢方相談では、まず初回のご相談の中で、お客様の「証(しょう:体質的な強弱・過不足)」を細かく正確に把握させて頂きます。

お客様の証を元に、妊娠まで辿り着かない体質の改善方法を考え、ご利用頂きたい漢方薬の選定や、普段の生活のアドバイスを行います。

「原因不明の不妊」

人には「健康な状態」と「病気の状態」のどちらかしかないわけではありません。

病気まで行かない、あるいは病院の検査でも原因がわからない「調子が悪い状態」というものが幅広く、数多く存在します。

 

疲れが取れない、食欲がない、ずっとお腹がゆるい、肩こりで頭痛や吐き気が起きる、髪が抜ける、目が乾く、

生理痛がひどい、生理前に情緒不安定になる、中々温まらない末端の冷え、朝から生じるむくみ…

 

もちろんそういった調子の悪さの全てが不妊に関連するわけではありませんが、多くの細かい不調の延長線上、あるいは集合体の中に「不妊」があります。

 

しかし「どこか調子が悪い」という症状も必ず原因がある為に起きています。

その原因が、病的な変化を伴わないために病院の検査では見つけられないのです。

 

病院でよく「原因不明の不妊」と言われる方がいらっしゃいます。

 

体調も、検査結果も問題ない。

病気ではない、明らかな原因はない。

 

つまり調子が悪いから妊娠できない、という状態です。

この「調子が悪いから妊娠できない」「病院の検査では見つけられない不調の原因」を改善するのが漢方です。

妊活における漢方相談

妊活の漢方相談においては、お客様とのお話の中で、普段感じる不調や、合わせて生活習慣・食事の習慣などを確認させて頂きます。

場合によっては舌の状態や、脈の確認をさせて頂く事もあります。

また妊活の相談の際には「基礎体温表」や病院で行う「女性ホルモン値の血液検査の結果」などがあると、より体質やホルモンの連鎖不全から生じる不妊原因の把握に役に立ちます。

 

 

多くの不調は

◯ 元々持っていた体の弱い部分・強い部分の不和(臓腑の失調、あるいは臓腑失調による相生相克関係の不調)

◯ 現在の生活環境によって生じた失調(気滞・気虚・陽虚・寒凝など)

◯ 体に合わない食事習慣や生活リズムで生じた機能不全(血虚・陰虚・痰濁・瘀血など)

◯ 調子の悪い状態が顕在化した疾患(子宮筋腫・内膜症・腺筋症・チョコレート嚢腫・卵巣嚢腫など)

などのどれかに当たります。

 

これら病院の検査でも出てこない体のアンバランスを、あくまでお客様の声を主体に漢方相談を行い拾い上げ、特に子宮・卵巣機能に関連する部分や、卵胞の発育、ホルモンのバランスを改善する為に必要な方策を立てていきます。

 

どの失調を中心に据えて改善するかによって用いる方剤も変わってきます。

最初の相談をしっかり行わせて頂く事が、できる限り最短で「妊娠」という目的地にたどり着くポイントになります。

妊活における漢方薬の運用と生活習慣改善のサポート

妊活相談の中で利用する漢方薬は、お客様ごとに様々です。

 

血流を改善する漢方薬でも、太い血管の血流を改善するもの、細い血管の血流を改善し詰まりを除いていくもの。

体を温めるといっても、全体を温めるもの、子宮や経絡に付いてしまった冷えを散らすもの。

潤いを補うことでホルモンのバランスを取り戻す漢方薬も、どの部位の潤いを中心にするかで変わってきます。

 

店頭で時間を取ってご相談させていただいてその方の体質を把握して、正しいものをお渡し出来る事が妊娠という目標を達成できる一番の早道です。

ただ、そこまで時間をかけて相談出来ないような方や、金額的に本格的な漢方相談は難しいという方には「婦宝当帰膠」だけでもおすすめしています。

この方剤に関してはブログレビューもあるので詳しくはそちらをご参照下さい。

 

ご相談の際には、その方の体質に合う漢方薬の選択と同時に、なぜその状態になってしまっているのかについても把握出来るよう努めています。

改善できる生活習慣・食習慣などについては説明させて頂き、ご自身でも普段の生活の中で健康を取り戻せるようアドバイス致します。

 

妊娠出来た後も、ご出産後の自分とご家族のためにも、体調管理や養生の方法を知っておいて頂き、毎日の健康維持にご相談の中で得た知恵を役立てて頂ければ幸いです。

病院で行う不妊治療

病院の不妊治療では、受診すると最初に「生理周期が正常なホルモンバランスの元で正しく行われているか」の検査をします。

 

事前の検査

 

◯ 血液検査

脳下垂体から出ているホルモン:FSH(卵胞刺激ホルモン)LH(黄体化ホルモン)PRL(乳汁分泌ホルモン)

卵胞から分泌されるホルモン:E₂(エストロゲン)

卵子の発育や妊娠維持に関連:AMH(アンチミューラー管ホルモン/卵巣年齢)甲状腺関連ホルモン(TSH・FT3・FT4)E₂の原料になるテストステロン

他感染症の検査などが行われます。

 

◯ 物理的検査 視覚的検査

自然妊娠可能な状態か確認する「卵管が通っているか」の検査(造影剤/通水)

妊娠を邪魔する婦人科系疾患がないかの検査:子宮内ポリープ/子宮筋腫/子宮腺筋症/子宮内膜症/チョコレート嚢腫/子宮内膜炎

などの検査が一般的です。

 

以上の検査に問題がなければ、いよいよ実際の治療に入ります。

実際の不妊治療は患者さんの年齢や卵巣の状態によって

タイミング療法 →人工授精 →体外受精 の順番にステップアップします。

先の検査で卵管の詰まりが確認され、排卵後の卵子が子宮に降りてこれない状態の場合、最初から体外受精の選択になります。

 

実際の治療とステップアップ

 

◯ タイミング療法

生理周期10日目~12日目辺りで卵胞チェックを行い、卵胞の大きさを確認する事で排卵日を予測。

然るべきタイミングで夫婦生活を行います。

 

◯ 人工授精

上記タイミング療法と同じように卵胞チェックを行うが、排卵の予測日に人工的に子宮に精子を注入します。

子宮の中に精子を直接入れますので

 排卵前後でおりものが少ない方

 精子の運動率が極端に低い方

 普段中々夫婦生活を行う余裕がないご夫婦

などに適応されます。

精子の状態を確認できる事も人工授精のメリットです。

一方で排卵のタイミングと、周期ごとに一回限りの人工授精を合わせる必要があります。

排卵を促す注射を利用する事もありますが、それでも必ずしも排卵とあってこない事も多く、可能であればその後も黄体期に入る頃まで夫婦生活を取る事をオススメします。

 

◯ 体外受精

タイミング療法でも、人工授精でも妊娠出来なかった場合。

あるいは生殖に関連する力が衰え始める40歳前後のご夫婦を対象に。

あるいは前述の卵管が不通で卵巣と子宮に物理的な隔たりがある場合、体外受精が実施されます。

 

体外受精に関しては2022年4月以降、保険診療が適応され、金銭負担的なハードルがかなり低くなりました。

病院の先生の考え方により、あるいは年齢や不妊の状態により、保険適応できない体外受精もありますし、あえて保険適応せず行う医療機関もあります。

保険が適応される場合でも、保険適応されない場合でも、どちらも一長一短があります。

どちらがより良いのかの判断は難しい問題です。

金銭的な負担を第一に考えて保険適応される医療機関で、というのも考え方の一つです。

一方で保険適応ではない体外受精も、まだ保険適応にならない様々な体外受精の方法を使いながら、自分に一番良い方法を模索する事が出来ます。

 

移植の為に、一度に複数個の卵子を採卵したいと思えば排卵誘発剤を利用して卵巣に負荷がかかる事は必須です。

できればご自身に合う方法をなるべく最初から利用して、身体・卵巣の負荷を最小限に移植に望んで頂きたいと思います。 

妊活で漢方を使ってみようかと考えていらっしゃる方に

店頭では、病院で色々な不妊治療を受けている方もたくさんいらっしゃいます。

ですが、そういった方から病院での治療対応を聞いていると、以下のような印象です。

 

治療を受ける相手の年齢や卵巣の状態、せっかく行った血液検査の結果などに関係なく、とにかくまず「排卵誘発剤」を使いましょう。

卵胞が大きくなった事を確認したら、卵胞内の卵子の大きさやエストロゲンの数値など関係なく「排卵させる注射」を打ちますよ。

注射を打った翌日から、排卵できたかどうかは関係なく、黄体がきちんと働いているかも検査しないで、とにかく「黄体ホルモン補充剤」を飲んで下さい。

 

病気でもないのに、薬(ホルモン剤)漬けの状態で、あたかも病気の治療のようです。

それは体外受精が保険で出来るようになった2022年の4月以降、更にひどくなっているように見えます。

 

28日周期で生理周期がめぐり、14日目で排卵できている人のどこに排卵誘発剤を利用するメリットがあるのか。

そもそもクロミッドは一度利用すれば3ヶ月近く効きます。

毎月服用する必要はないのです。

 

LHサージした後、安定した基礎体温で高温期が継続できている人になぜ黄体ホルモン補充をするのか。

黄体機能不全は卵子の発育不全です。

高温期の黄体ホルモンの不安定を改善する前に、まず卵子が十分に発育できるよう体質改善する事が大事です。

ちなみに排卵誘発剤は卵胞の発育を良くしますが、卵子の発育にはあまり効果がありません。

 

生理痛がひどいと話している患者さんに、なぜ痛み止めだけ出して原因を追求しないのか。

下腹のひどい冷えや、子宮内の血行不良、場合によっては婦人科系の疾患による痛みであれば、まずそれを改善しないと妊娠は望めません。

 

そもそも「妊活」というのは、ご自身の体調を見直し、悪い部分を改善しながら妊娠できる体作りをしていく事です。

病院での不妊治療を、続ける時間が長くなるほどに精神も体力も削られ、つらくなっていくのは、やり方が間違っているのではないかと思えて仕方ありません。

 

一方、病院の治療を受けて卵巣・子宮に一定の負荷をかけながらも、早い段階で妊娠が出来た方は、その恩恵を十分受けられたと考えて良いと思います。

病院の治療に恩恵を受けられた方がたくさんいらっしゃる事も事実。

また、そうしないと子供が出来なかった可能性がある方が少なからずいらっしゃるのも確かです。

 

脳から分泌される刺激ホルモンの量が低下して、そのままでは卵胞・卵子が発育しないという事であれば「排卵誘発剤」は必要です。

あるいは多嚢胞性卵巣などで、卵胞が発育しても中々排卵が起きないような場合は「排卵させる注射」を打つこともあるでしょう。

体外受精時に完全ホルモンコントロール下であれば、自力で黄体ホルモンは出ませんので、「黄体ホルモン補充」は行うべきです。

ホルモン剤が必要になる場面というのも確かにあります。

 

では、その治療をどれくらい続けたらいいですか?

 

私の個人的な意見では、体外受精まで進んだら、特別な理由がない限り良くて移植2回。

長くても4回体外受精で移植を行って結果が出なければ、それ以上何度体外受精をおこなっても結果は出にくいものと考えています。

 

最初に “不妊” とは 『何らかの原因で、妊娠に至れない健康状態が、継続的に続いている事』  と書きました。

 

この何らかの原因が、現在の病院の治療では改善できないものの場合、何回高度医療にチャレンジしても結果は出ないのです。

 

保険が効くようになった事で、それ以前に掛かっていた金銭的負担は確かに軽くなりました。

一方で保険が効かなかった頃にあった、医療機関ごとの、あるいは各医師による不妊治療の創意工夫はなくなってしまいました。

現在の体外受精は、悪意を持って例えますが、回転寿司と一緒です。

何度も同じルートを、改良の余地なく回されている状態。

ネタ(卵巣)はどんどん状態を悪くしていってしまい、30代にしてFSHが20を超えてご来局する方も少なくありません。

 

病院の治療を根本から否定するつもりはありませんが、数ヶ月通院し、高度医療を試しても妊娠に辿り着かない事は、あります。

その場合、病院では「この寿司ネタはテーブルをあと何周回るのか」という話にしかなりません。

 

妊娠するため一番必要なものは、ご夫婦二人の健康で丈夫な心身です。

むやみにホルモン剤で卵巣への刺激を強めても、高温期を維持しても、負荷がかかるばかりです。

ご自身の体調を見直し、検査で見えなかった不妊の原因を確認するためにも、漢方だったらどうだろうと気が付いた早くに、ぜひ漢方相談をしてみて下さい。

 


漢方専門 山崎薬局 店舗情報

 

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