· 

血を作る漢方薬

意外に少ない補血剤

漢方で子宝相談していると、女性の体にとって血液が大事ってすごく感じます。

髪の抜け方、爪の硬さ、肌の乾燥や目の潤い(輝き?)、PMSはもちろん、生理の量や生理痛の程度など、美容・健康のあらゆるところに「女性は血を持って本と為す」という中医学の言葉がまったくその通りに絡んでいます。

 

ですので店頭でも、女性の相談ならまず血液を補う事で体調を整えようと考えていく事が多くなります。

ここで「補血剤」として扱える漢方薬が意外と少ないことに気付きます。

日本に少ない、という事もあるのですが、方剤の数としても純粋に補血剤とされているものが少ないのです。

 

山崎薬局で利用する補血剤の代表は“婦宝当帰膠”です。

それ以外となると“四物湯”とその加減方。

ついで“心脾顆粒”などの気血双補剤になっていきます。

 

よくインターネットで婦宝当帰膠と当帰芍薬散が混同されているような記載を見かけますが全く別物です。

私は当帰芍薬散は基本「胃薬」に近い認識です。

女性向けに作ってはあるので、胃腸が弱く水がたまっているようなチヤポチャポ音が聞こえるような女性であれば問題なく飲めます。

しっかり元気になる効果も感じることと思いますが、「補血剤」としての効果はあまり期待できません。

 

店頭で利用する方剤の中ではやはり“婦宝当帰膠”が一番効いている気がします。

でももう少し味がなんとかならないかな~?

甘いの苦手なお客さん、意外と多いんですよね。

 

血ができると肌の潤いがまず違ってきてお化粧のノリが良くなります。

爪がきれいになってきて、ネイルで爪の弱さをカバーしている方が店頭にも来られますが、爪本来の強度やきれいさを上げればもっときれいにデコれると思います。

きれいな血が循環することで目の疲れや肩こり、末端の冷えが解消します。

精神的にも安定して些細なことでイライラしたりウツウツしたりする事もなくなります。

腸の中も十分血流が良くなるとお腹が温かくなり腸の蠕動運動と便の水分が確保され、便秘が解消してきます。

実際、店頭で便秘の相談を頂く際、大黄やセンナなどを利用した便秘薬を私はほとんど利用しませんが重度の便秘症の方でも改善できています。

 

まさに“女性は血を持って本と為す”ですが、主体になる生薬が当帰や川芎といった暖める生薬のため皮膚に炎症を持った方や、血液は補いたいんだけど“のぼせやほてり感”を持った方には利用しにくい一面があります。

温清飲のような、でももっと穏やかで利用範囲の広い少し冷ますような補血剤、あったら良いのになぁ。